2007年07月06日

時効成立以降の遡及年金、8月より通知

「ゴーゴー社労士」です。連続投稿いたします。

先日終了した国会で可決された、いわゆる年金に関する時効の撤廃特例法はいつ施行されるのかと思っていたら、今日(7月6日)から施行のようです。それに伴い、これまでの5年の時効成立を超えた分の年金支給について8月から通知を始めるようです。

(NIKKEI NETより)

時効年金支給、8月から通知・厚労相

 柳沢伯夫厚生労働相は6日の閣議後の記者会見で、年金保険料の納付記録が訂正されたにもかかわらず、これまで5年間の時効が適用されて年金の一部を受け取れなかった人に対し、8月をめどに不足分を支払うことを明記した通知書を送る方針を示した。年金時効撤廃特例法が同日施行したことを受けた措置。

(ここまで)

なお、通常の時効を経過した分の年金に関する源泉所得税については年金額のライン(通常は60歳以上→108万円以上、65歳以上→178万円以上年金収入があると源泉所得税が課せられる。また、源泉所得税が課せられるのは老齢・退職にかかる年金のみ)を超えても課税をしない方針です。ただし、通常の年金と同様に自ら裁定請求をしないと支給はされないようですが、それをめぐっていきなり問題があったようです。

「時効年金」受給申請初日、連絡不手際で一部受理されず(Yahoo News―読売新聞より)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070706-00000007-yom-soci

最後に、時効特例分の年金が受給できる方で、年金の裁定請求のために社会保険事務所へ出向くことができないという方については代理でお引き受けいたしますので、もしお願いしたいのであればご連絡ください。
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Movable Typeを利用します

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

長らく「チャレンジしてみよう」とは考えていたものの、専門の技術がないと難しいとされている「Movable Type」を利用したホームページ作成ですが、ついにチャレンジすることにしました。理由はごく簡単なことで、これまで利用してきたホームページ・ビルダーでは更新の際に非常に手間がかかってしまうことで更新が面倒くさく感じてしまったこと、特に新しくカテゴリーを設ける際に面倒くさくなるのがイヤだと感じてしまったことで、更新が楽にできるブログ形式の「Movable Type」を利用するしかない、という結論に達しました。

もっとも、基礎的なデータはすでにホームページ・ビルダー作成のものがあるのでそのデータを移し変えてさらに新コンテンツを加えればいいので、ゼロから作成することを考えれば楽といえば楽ですが、「Movable Type」をホームページ式にする(ブログであることを感じさせない)ためのカスタマイズが非常に大変であるのは言うまでもありません。

なるべく早く「Movable Type」を利用した新ホームページを公開できるように取り組んできますので、しばらくお待ちいただければと思っています。
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2007年07月05日

遡及年金とその収入年の関係は?

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

今日は、昨日の予告どおり「遡及分の年金」について書こうと思います。

年金に関する時効の撤廃特例法(国会で可決されたので「法案」ではなく「法」と書きます)が近いうちに公布・施行されますが、それまでは年金受給権の時効は5年ということで「記録漏れ」や「請求漏れ」があった場合は最大で5年分年金が遡及して受給されることになります。これについては年金に関する本にも書かれていることですが、問題なのはその「5年分の遡及年金」は「いつの収入になるのか?」ということです。

昨日も書きましたが、年金の辞書的な本として有名な



この本には書かれていません。他の本にはもしかしたら書かれているかもしれませんが、結構記載されていないのではないでしょうか。

ネット上でも検索してみましたが、やはり記載はほとんどといっていいほどありません。唯一ヒントらしきものを見つけたのがこちらのホームページの2番目の項目の最後に記載されている「裁定請求が遅れたことにより前年分以前の年金が一時に支払われる場合であっても、それぞれ定められた支払期により年区分し」という文章で、それを基に所属している年金の自主研究会の大先輩社労士の方と社会保険事務所に聞いたところ、ともに「遡及分の年金としては一度に受給するが、年金の収入としてはそれぞれの年ごとの収入になる」という答えで一致しました。要するに、60歳で受給できるはずであった年金は60歳時点での年金収入、これが64歳までその年ごとに収入になるということになります。

ということは、遡及分の年金が新たに加わることで、年金額によっては源泉徴収されることがなかった年金(源泉徴収されるのは老齢年金のみ)が源泉徴収されるといったことがありうるわけです。当然過去5年分にわたって確定申告をしなければならないということもありえます。

年金を中心にしている社労士であれば常識的なことかもしれないのですが、これは実際に実務について初めて理解できたことです。このようなことを一つ一つ積み重ねていくことで本物の「年金の専門家」になっていくのだと思います。私もようやくその入り口に入ることはできたのかな、と思います。
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2007年07月04日

コナカ、一般社員を「店長」扱いにして残業代を出さず

ブログがきっかけで労働組合が結成されたコナカで労務管理上大きな問題が発生しました。

<コナカ>残業代支払い逃れ 多くの社員を「店長」に(Yahoo News―毎日新聞より)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070704-00000056-mai-soci

要するに、管理監督者の地位にあるものは割増賃金の対象外であるということを悪用したとしか思えない方法で残業代を出していなかった、ということです。引用リンクにもありますが、コナカの労働組合が「これは明らかに問題である」ことを労働基準監督署に申し出て、このような事態が発覚したようです。

もしコナカに労働組合が結成されていなければこのような事態は社員の内部告発というリスクの大きい形でしか公表されなかったものと思います。実際に是正勧告があったのがおそらく本社管轄の労働基準監督署であったことを考えると、本社主導でこのような一般社員を「店長」扱いしていたものと思われます。当然悪質であるのは言うまでもありません。経営陣はどのような弁明をするのでしょうか。
posted by gogosharo at 18:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 労務関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

老齢年金の裁定請求

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

昨日・一昨日と2回に分けて私が遭遇した年金の「記録漏れ」について書きましたが、当初は「老齢基礎年金」だけだったものが過去5年分の「特別支給の老齢厚生年金」と年金額がアップした「老齢基礎年金」・「老齢厚生年金」が受給できるということで、当然その後裁定請求を済ませました。あとは約2ヵ月後に年金証書が依頼者のもとに届き、さらに1〜2ヵ月後に年金額が振り込まれるのを待つだけとなります。

結果的に年金の通常の裁定請求だけでなく、「記録漏れ」「請求漏れ」の年金の裁定請求(遡及請求)ということまで経験できたので自分のキャリアに新たな財産ができたわけですが、そこで感じたことは、「裁定請求をお願いします」「ハイわかりました」というような簡単な事例ではないということです。特に「記録漏れ」が絡むと大変であるということも分かりました。

さらには、裁定請求の際に裁定請求書の他にどれだけの添付書類が必要なのかということも一度社会保険事務所で確認しないと危険だな、とも思いました。老齢年金の制定請求で必要な添付書類は

(1)戸籍謄本
(2)家族全員の住民票
(3)本人・配偶者の年金手帳
(4)預金通帳のコピー(社会保険事務所で確認したところ、コピー可の回答あり)
(5)社会保険事務所で出してもらった年金の確認記録
(6)印鑑
(7)雇用保険被保険者証
(8)(7)がない人の場合は、その事由書(社会保険事務所でいただける)
(9)本人・配偶者の非課税証明書
(10)代理で裁定請求する場合は委任状と代理人の身分証明書

などが代表的なものですが、家族構成や年金額(例:加給年金が加算されるか否か)は千差万別ですから、裁定請求する前に事前に確認しないと何度も社会保険事務所に足を運ぶことになることは間違いないと感じました。私の場合は「記録漏れ」があったこともあって記録確認→年金の見込額(「記録漏れ」が判明したことで当然年金額もアップするので。このときに提出すべき書類を社会保険事務所から提示してもらいました)→必要な書類を全て持参して裁定請求というプロセスでした。他の社労士についてはどのようなプロセスを採っているかは分かりませんが、裁定請求前の事前確認(社会保険事務所と依頼者に対して)は絶対に外せないと思いました。

明日は、遡及請求のことについて書こうと思います。結構年金に関する本(下記に代表される本)





には書かれていないことが実務では当たり前のように出てきますので・・・。
posted by gogosharo at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月03日

私が遭遇した年金記録漏れのケース(その2)

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

「私が遭遇した年金記録漏れのケース」の第2回目を書こうと思います。昨日は「老齢基礎年金」の裁定請求が来たものの厚生年金の記録がないのはなぜ?ということで年金番号を統一していないことによる記録漏れでは?という可能性を予測して社会保険事務所へ行ったことまでを書きましたが、その続きです。前回の詳細を下記にリンクしておきます。

私が遭遇した年金記録漏れのケース(その1)

管轄の川越社会保険事務所へ行きました。年金の記録確認については原則として本人が行くことになっていますが、委任状を用意することで代理の人でも記録確認ができることになっています。なお、代理人の場合は委任状に加えて「代理人の身分証明書」が必要になります。私の場合は社労士証票を提示しましたが、社労士証票でも身分証明になります。川越社会保険事務所の場合は年金に関する窓口が国民年金・厚生年金それぞれの適用課と年金相談コーナーに分かれており、前者の場合は委任状は書式不問で後者の場合は専用の委任状が必要になります。おそらく各社会保険事務所で委任状の運用は異なると思われるので、代理で行く方は事前に確認しておいたほうがいいでしょう。今回記録確認してもらったのは前者のほうでした。

窓口へ依頼者の裁定請求のコピーを持っていき、年金手帳計3冊も提示して「おそらく記録漏れの可能性が高いのですが・・・」と私が言ったところ、職員から渡されたのが年金番号統一に関する書類で、これに基礎年金番号と複数所有している年金番号を記入することでバラバラであった年金番号を統一してもらいました。

記録確認の結果ですが、やはり年金番号を統一していないことによる「記録漏れ」でした。当初のターンアラウンド用裁定請求書に記載のあった年金記録は国民年金の約350ヶ月分しかなかったのが、年金番号を統一することによって国民年金設立当時の記録約1年分と厚生年金の記録約100か月分が加わって約460か月分の国民年金納付記録になり、当然ですが過去5年分の特別支給の老齢厚生年金と老齢厚生年金も受給できる年金記録になったわけです。「記録漏れ」の約「5千万分の2」が解決したことになります。

なお、年金記録の確認がスムーズにいったのは、依頼者が厚生年金の記録=どこの会社にどのくらい勤務していたのかということをほぼ正確に把握していたことです。ちなみに、全て記録にあり、合致していました。これは非常に助かりました。もちろん今回のケースが全てではないので、そういう場合は「総務省」に設立されたばかりの第三者委員会に申し出る必要があります。

年金記録確認します 総務省中央第三者委が都内に事務室(Yahoo News―フジサンケイ ビジネスアイより)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070703-00000004-fsi-bus_all

ということで今月から第三者委員会が機能しますから、記録の証拠がない・あいまいであるという方はぜひ申し出ることをお勧めします。実際の判断基準がどのようになるのかは不透明な部分がありますが・・・。なお、実際に申し出る場所は各都道府県の「行政評価事務所」であって「社会保険事務所」ではありませんのでご注意ください。
posted by gogosharo at 10:55| Comment(1) | TrackBack(0) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月02日

社労士試験本番まであと2ヶ月

よく考えてみれば、今年の社労士試験まで残り2ヶ月(試験日は8月26日)になったようです。受験生の皆さん、勉強ははかどっていますでしょうか?この時期になると基本的にはインプットからアウトプット(答練)の勉強法になっていると思います。過去問は当然その問題が出る出ないにしろ研究はしてあるはずです。

また、この時期は公開模試ラッシュの時期でもあります。選択型80分、択一型210分=特に択一型の時間配分というものが重要になってきます。慣れていないとこの210分というものが非常に苦痛で拷問的な時間になります。ということで、可能な限りは公開模試を受験することをお勧めします。ただし、受験しすぎると公開模試の復習(試験の雰囲気に慣れることも大事ですが、模試については復習のほうがもっと大事)が追いつかなくなるので、その点に注意して受験することも必要かと思います。ちなみに6年前(合格時)の私の場合は通っていたTACの全2回とWセミナーの1回、計3回受験しました。Wセミナーの受験はアウェイの雰囲気でどれだけ実力が出せるかということと別の視点からの問題に対応できるかという意味で受験したのですが、そこそこの結果が出せたこと・弱点が明らかになったことで残りの期間で何をすればいいのかということが明確になったので受験してよかったと思っています。

最終的に本番で合格点を取ればいいのですから(当然これが非常に難しい)、そのための一環として公開模試を有効に利用していただきたいと思います。今年は空きがあれば試験官として手伝おうかなとも考えています。埼玉は試験会場がまた独協大学なので、朝一番で行かないと辛いのですが・・・。
posted by gogosharo at 18:24| Comment(0) | TrackBack(1) | 社労士試験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

私が遭遇した年金記録漏れのケース(その1)

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

今日から、私が遭遇した年金記録漏れのケースについて、何回かに分けて書こうと思います。皆さんご承知のとおり突如現れ、しかも7月の最終日曜日に予定される参議院選挙における争点=政治問題にもなってしまった年金「記録漏れ」問題ですが、急遽5年の時効を撤廃するいわゆる時効の特例法案を成立させたり、年金保険料納付の証拠がないことで不利を被ることのないように審査する第三者機関を「総務省」に設置したりとこれまでの年金行政の怠慢のツケが出てしまっていますが、まさか自分にもこのようなことに遭遇するとは思ってもみませんでした。

本論に入ります。なお、プライバシーの問題上名前は伏せさせていただきます。

6月のある日、「老齢基礎年金」の裁定請求をお願いしたいというメールが依頼者から届きました。それだけなら特に問題がないはずですが、その依頼者のメールには厚生年金(約9年程度)も加入していたという記載もあったのです。最初は「在職老齢年金か?」と思いましたが、よく考えれば在職老齢年金だったとしても「60歳」の時点で(支給停止になるかならないかは関係なく)裁定請求書が来ないとおかしいですし、ターンアラウンド用裁定請求書にはどうも国民年金の納付記録しかなかったようなのです。「もしかして記録漏れか?」ということも頭の中に入れて、とりあえずはどういう状況なのか知りたいということでその依頼者のもとへ訪問することにしました。

ターンアラウンド用裁定請求書には、やはり国民年金納付記録分しか記録がありません(厚生年金の保険料納付期間は全く記載なし)でした。ところが、その依頼者、年金手帳は計3冊も所有していました。話を聞くにつれて、どうもこれは年金番号を統一していないがための「記録漏れ」ではないか?ということになって、取り合えずは社会保険事務所に行って記録の確認と3冊バラバラになっている年金番号の統一をすることにしました。

(続きは明日)
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2007年06月29日

労災保険の特別加入

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

依頼者からの記録漏れを含めた老齢年金の裁定請求も無事終了することができました。あとは年金証書と実際に(過去5年分の遡及分を含めて)年金額が振り込まれるのを待つだけになります。裁定請求が終わるまではこの件については記載を控えていましたが、すでに依頼者からの許可は得ているので月曜日あたりに「記録漏れ」についてのことを書こうと思っています。

今日は年金から離れて、労災のことを書こうと思います。日経新聞に以下のような記事が記載されていました。

(NIKKEI NETより)

請負大工は「非従業員」、最高裁が労災支給認めず

 建設会社の下請け工事中にけがをした大工の男性への労災を不支給とした労働基準監督署長の処分が妥当かが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷は28日、「仕事を請け負い、工事の完成に対して報酬を得る大工は労災保険法上の労働者ではない」と判断し、処分を妥当とした1、2審判決を支持、大工側の上告を棄却した。

 労働基準法で労働者は(1)会社の指揮監督を受ける(2)労務に対する賃金を受け取る――と規定。労災保険法上も同様に扱われ、1人で工事を請け負う大工は対象外となる。

 泉徳治裁判長は「男性は作業の手順や時間を自分の判断で選択できた。報酬は従業員より相当高額で、出来高払い中心」と指摘。「実質的に元請け会社の指揮監督下で作業する立場で、従業員と同じ」とする男性の主張を退けた。

(ここまで)

行政解釈では以下のような解釈があります。

「請負契約によらず、雇用契約により、使用従属関係下にある大工は労働基準法上の労働者(昭23.12.25基収4281号他)」

つまり、雇用契約であれば引用記事のような大工でも労働者として扱われていた可能性が高かったものと思われますが、契約としてはおそらく請負であったものと思われます(「実質的に」指揮監督下で作業する立場と記載があることもその証明になるかと思われます)。ということで裁判所は原告は「労働者に該当しない」ということで原告の主張を退けたのでしょう。

ただし、このような大工は労災保険の対象にならないかというと、そうではありません。労災保険法には「特別加入」という制度があります。それではどのような方が対象になるかというと、下記のような人です(スペースの都合上、単純に書きます)。

(1)中小事業主等
(2)一人親方等
(3)海外派遣者

引用記事のような「1人で工事を請け負う大工」は(2)の一人親方等に該当します。ただし、その人が団体の構成員(引用記事の場合だと、何かしらの大工団体に構成員として加入=その団体が事業主となり、その下で一人親方等を労働者として保険関係を成立させる)となっていること、その団体が申請書を労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出することなどの条件を満たさなければなりません。つまり、通常の労働者としては認められないものの、上記のようなプロセスを踏めば特別に労働者扱いをしましょう、ということになるわけです。

引用記事の内容でしか判断できないのですが、おそらくこの一人親方の労災特別加入のことを知らなかったものと思います(現実には、一人親方の労災特別加入のことを調べろといっても無理があると思いますが・・・)。逆に知っていれば最高裁までいった裁判費用などの余計なコストがかからなかったはずです。また、保険給付に関することですから裁判の前に審査請求→再審査請求というプロセスもあったわけで(このプロセスがないと訴訟は起こせない)、かなりの時間も費やしたはずです。

こういったことが起こらないように(労働)行政も積極的にアピールしなければならないと思うし、このような問題の専門家は我々社労士しかいませんから、社労士も同様に積極的にアピールしていくことが重要であると思いました。
posted by gogosharo at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 労務関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月25日

ミートホープの従業員全員解雇と労働基準法

急遽労務関連のネタが見つかったので、投稿します。

全従業員を解雇へ=「会社存続困難」と専務−26日に正式伝達・ミートホープ(Yahoo News―時事通信より)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070625-00000062-jij-soci

ということで偽装問題が刑事事件にまで発展してしまった食肉加工会社・ミートホープですが、これ以上事業の継続は困難だとして従業員やパートタイマー全員に解雇通告をするようです。問題はこの解雇が法的に認められるのかということです。

労働基準法第20条は以下のように規定しています。

第一項 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りではない。


要するに、ミートポープとしては刑事事件にもなってしまったことで消費者や取引先からの信用を完全に失ってしまったことで事業の継続は困難であるから従業員などを即時解雇するということですが、論点は労働基準法第20条第一項の但し書きに該当して解雇予告手当を支払わなくてもよいのか、ということになります。

ちなみに、「その他やむを得ない事由」で「事業の継続が不可能になった場合」に該当するのは行政解釈上は下記のとおりになります。

(1)事業場の火災消失
(2)震災に伴う工場等の倒壊などにより事業の継続が不可能になった場合

上記のように、不可抗力・突発的に起こり、経営者として社会通念上採るべき必要な措置をもってしても如何ともしがたいような事由のために事業の全部・大部分の継続が不可能になった場合には解雇予告手当は支払わなくてもよいという解釈になります。その一方でこのような解釈があります。

事業経営上の齟齬の如き事業主の危険負担に属すべき事由は、「やむを得ない事由」に該当しない。

つまり、経営上の見通しを誤ってしまったために経営困難になった場合は「やむを得ない事由」に該当しないということです。ミートホープの場合はおそらくこちらのほうに該当すると思うので、即時解雇しても30日分以上の平均賃金を支払わなければならないものと思われます。ミートホープとしては偽装の代償は非常に重すぎたとしか言いようがありません。

上記の解釈は、

労働法全書



労働基準法コンメンタール上巻



を参照に書きました。
posted by gogosharo at 15:09| Comment(2) | TrackBack(2) | 労務問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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