2006年11月22日

ホワイトカラーエグゼンプション、経済団体でも意見対立

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

昨日は大学生・社会人対象のドラフト会議が行われましたが、オリックス・バファローズのドラフトにはびっくりしました。阪神タイガースなどが興味を示していた法政大学の大引選手をウェーバー制度のアドバンテージを生かして指名し、大引選手たった1人の指名だけで(希望枠獲得選手を含めても2人)ドラフトを終えてしまったのですから。

また、このドラフトによって希望枠獲得選手は全員、それに準ずる選手は「年俸1,500万円」で契約することになると思います。この「年俸1,500万円」は一軍選手の最低保証年俸額です。つまり、これらの選手は一軍で活躍することが義務づけられたことになります。当然一軍に残る・実績を残すことができなければ容赦なく年俸ダウンが待っています。これは高校生でただ1人、同様の条件で楽天イーグルスに入団する田中将大投手についても同じことが言えます。そういう条件で最後まで一軍に残ることのできる選手は限られるので、その点はプロの厳しさというものを感じます。

本題に入ります。昨日の労働政策審議会でも議題になったはずの「ホワイトカラーエグゼンプション」ですが、経団連は導入するように呼びかけていますが、経済同友会は反対の意見のようです。朝日新聞のウェブサイトからの引用です。

(Asahi.comより引用)

ホワイトカラー・エグゼンプションに反対 経済同友会

 一定の年収以上の会社員を労働時間規制の対象から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション」について、経済同友会は21日、「年収を基準にするのはおかしい」と批判し、来年の国会での法改正は見送るべきだとする意見書を発表した。日本経団連は導入を推進しているが、経済界でも意見が割れた形で、今後の議論に影響を与えそうだ。

 この制度は、自分の裁量で仕事を進めることができる社員には、時間ではなく成果に応じて賃金を支払う仕組みで、「1日8時間、週40時間」の法定労働時間を超えて働いても、残業代が払われなくなる。現在、厚生労働省の審議会で導入に向けた検討が進んでいる。具体的な年収水準は決まっていないが、経団連は昨年、年収400万円以上を対象にするよう提案した。

 これに対し、同友会は「仕事の中身や量、スケジュールまで自分で裁量をもっている従業員は多くはない」と指摘。米国の雇用ルールをそのまま持ち込み、年収で線引きするのではなく、「仕事の質や種類で判断するべきだ」とした。労働時間規制を残したまま柔軟に働くことができる現在の裁量労働制の活用をまず進め、ホワイトカラー・エグゼンプションは将来的な課題と位置づけた。

 一方、時間外労働の割増率の引き上げについては、「長時間労働を抑制することができるのか疑問」とし、経団連の主張と足並みをそろえた。

(引用ここまで)

ホワイトカラーエグゼンプションについては、最近の投稿にもあるので参照していただけたらと思います。

11月9日投稿:「ホワイトカラーエグゼンプション」の審議
11月11日投稿:ホワイトカラーエグゼンプションの審議 続編

どちらかというと、経済同友会の(導入反対の)主張の方が労働の現場の現状をよく捉えていて、説得力のある主張のように思います。将来的にはホワイトカラーエグゼンプションの導入はやむを得ないかもしれないけれど、むしろ現在の(対象者は限られるが)裁量労働制を活用するようにすべきだというのが現実的な主張のように思います。

いずれにせよ、「ホワイトカラーエグゼンプション」の導入についてはまだまだ紛糾することは間違いないように思います。


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2006年11月21日

整理解雇の4要件、労働契約法に明示へ

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

先日開催された日米野球で前評判どおりの怪物ぶりを発揮してMVPに輝いたフィラデルフィア・フィリーズのライアン・ハワード選手が、ナショナル・リーグのMVPに輝きました。今年からフルレギュラーになってあの活躍ですから、MVPを獲得するのもうなずけますね。来年以降もMVP投票で2位になったカージナルスのアルバート・プホルス選手レベルで活躍できるのか、一発屋で終わってしまうのか、ハワード選手の進化は来年問われることになるでしょう。

今日は解雇(整理解雇)の要件についてです。日経新聞の1面に記事が載っているので紹介したいと思います。

(NIKKEI NETより引用)

リストラ解雇、条件明示・厚労省方針、労働契約法に4項目

 厚生労働省は労働紛争の防止を目指して新たに制定する「労働契約法」の中に、リストラなどでの整理解雇ができる条件として企業の回避努力義務など4つを明文化する方針を固めた。条件を明示することで解雇ルールの透明性を高める。ただし、4条件すべてを満たさないと解雇は無効といった厳格な運用ではなく、総合判断するための要素と位置付ける考えだ。

 条件は(1)人員削減の必要性(2)解雇の回避努力(3)解雇対象者の公正な選定(4)解雇理由の説明――の4つ。企業による整理解雇が妥当かどうか判断する材料として、この4条件を新法に盛り込む。

(引用ここまで)

この整理解雇の4条件は、解雇に関する数々の裁判例において確立されてきた条件ですが、これを全て満たさないと解雇できないとされた判例や権利の濫用等も含めて総合考慮されるべきという判例もあって、確実な判断基準が確立されていない(「コンメンタール 労働基準法−上」に記載)というのが実情です。



労働契約法にこれらの条件を記載したとしても、以前に書いた権利の濫用も絡むし、結局は裁判に委ねるしかないのかな、というのが実感です(現在のところは)。

それだけ解雇問題というのは人事労務の中で非常にデリケートな問題であることが理解できるものと思います。解雇について金銭で解決しようという問題も合わせて今日の労働政策審議会で審議が行われるので、どういう議論・結論が出るのかは明日の新聞記事に出るでしょうから、そのときにあらためて投稿しようと思います。


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2006年11月20日

イトーヨーカドーのパート社員3区分制度

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

昨日のマイルチャンピオンシップはダイワメジャーがダンスインザムードを抑えて優勝し、秋は毎日王冠・天皇賞と続いて3連勝となりました。マイルチャンピオンシップは関東馬が結構強いイメージがあるのですが、1〜6着が全て関東馬という結果でした。

ところが、今週のジャパンカップウィークは、ダート・カップ共に登録している関東馬はたった1頭・・・。中距離以上の関東馬の駒不足が露になっている現状があらためて浮き彫りになった感じです。

今日は、フジサンケイビジネスアイに載っていた、イトーヨーカドーのパート社員の処遇について書きたいと思います。

(フジサンケイ ビジネスアイより引用)

イトーヨーカ堂 習熟度、意欲に応じパート社員を3区分に

大手スーパーのイトーヨーカ堂は、パート社員の雇用管理区分を仕事の習熟度と本人の意欲に応じて3区分する「ステップアップ選択制度」を来春から導入する。最上位にランクされたパート社員には、売り場マネジャーなど管理者への道を開く。正社員並みに働く意欲のあるパート社員を積極活用するのがねらい。

 新たに導入する区分は、(1)管理者になりうる「リーディング・パートナー」(2)一定の技能を取得した「キャリア・パートナー」(3)採用直後の「レギュラー・パートナー」−の3つ。パート社員による自己評価に加え、現場管理者らによる習熟度の評価などを基に判断する。

 同社の社員約6万人のうち、パート社員は約3万6500人。現在は厚生年金適用の「週30時間以35時間未満」と、適用外の「週30時間未満」という区別はあるが、雇用管理は一本化されている。

 現在、パート社員の管理者は、売り場マネジャー1人とサービスカウンターなどの責任者であるチーフの16人しかいない。すべてのパート社員が同じ管理区分にあることが、原因とみており、3区分のステップアップ選択制度を導入することで、パート社員がそれぞれの希望する働き方を、やりがいをもって選択できるようにしたい考えだ。

 ヨーカ堂ではパート社員を「重要な戦力」と位置づけている。意欲のあるパート社員については、管理者など責任ある職務に積極的に登用していく一方で、アルバイトなどと合わせた非正社員比率を現行の77%から、80%程度まで拡大したい考えだ。

(引用ここまで)

イトーヨーカドーに代表される小売業界はパート社員が圧倒的に多く、必然的にパート社員を有効に、かつモチベーションを上げるために働いてもらう活用をしなければ店舗の運営そのものが成り立たなくなってしまいます。よって、いかにしてパート社員に長く働いてもらうかがほとんど永遠の課題になっていると思います。

イトーヨーカドーはその一策としてパート社員を3区分に分けて、キャリアアップしたいのであればその道を開く選択肢を与えるということでわかりやすい、かつモチベーションの上がる区分形態を採用することで優秀なパート社員に長く勤務してもらおうという姿勢がうかがえると思います。

小売業の代表的企業がこのようなパート社員に関する区分制度を導入すれば、他の企業も自社の制度に合うようにカスタマイズして同様の制度を採用していくのではないかと思われます。


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2006年11月14日

EUの労働時間事情

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

松坂大輔投手は本当にボストン・レッドソックスがポスティング落札したのでしょうか!?メジャーリーグの公式ホームページではそのようにアップされているようですが、これが事実であれば来年は松坂投手対松井選手の戦いが実現することになります。また、地区が違うので対戦があるかはわかりませんが、松坂投手対イチロー選手も見られる可能性があります。

今日は海外(EU)の労働時間事情を取り上げたいと思います。日本では「ホワイトカラーエグゼンプション」制度を導入するかということの審議に入っていますが、海外(EU)になると特に複雑のようです。日経新聞からの引用です。

(NIKKEI NETより引用)

EU、労働時間制限で対立・英仏譲らず協議決裂

欧州連合(EU)加盟国が、週48時間までと定めている労働時間の制限を緩和するかどうかを巡って激しく対立している。経済成長を優先して労働時間の規制に消極的な英国などと、労働者保護を重視して規制を維持したいフランスなどとの溝は深く、EU理事会での協議は決裂。欧州委員会による調整も難航している。フランスやドイツでは国内の雇用改革も滞り、産業界から懸念の声も上がっている。

 EUは1993年の指令(法律)で労働時間を週48時間までに制限したが、国際競争の激化で、より柔軟な雇用制度が必要になっている。

(引用ここまで)

対立の構図としては市場経済優先のイギリスと手厚い社会保障重視のフランス・ドイツなどといった構図のようです。また、自由主義的なイギリスと保守的なフランス・ドイツなどといった構図でもあるようです。イギリスは法定労働時間が週48時間ですが、労使の合意によって週78時間まで延長可能となっており、現実に約300万人が法定労働時間を超えて労働しているようです。これに対してフランスなどが厳しく批判しているようで、この対立が解消するメドは立っていないようです。

EUというヨーロッパの共同体ではあるけれども、それぞれの国のスタンス・文化は違うのが当たり前ですから、それを一つにまとめ上げるというのは相当難しいんだなというのが実感です。それにしても、日本に限らず海外でも労働時間に関する問題は相当深刻なのだということを引用記事を見て実感させられます。


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2006年11月12日

雇用保険 国庫負担廃止した場合のシミュレーション

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

現在行われている野球のアジアシリーズは、2年連続で日本代表(今年は北海道日本ハムファイターズ)が決勝進出、今夜台湾代表のLA NEWベアーズと戦います。2年連続で日本代表(日本ハム)が優勝して欲しいのは当然ですが、「アジアシリーズ」と銘打っている以上、ホームグラウンドは持ち回りにしないと本当の「アジアシリーズ」の意味がないと思うのですが、どうでしょうか(仮にそうなるとしたら、日本のスポンサーは嫌がるのでしょうが・・・)。

今日は、以前に投稿した「雇用保険から国庫負担をなくす予定」に関連して、昨日投稿した「ホワイトカラーエグゼンプション」の引用記事である日経新聞の同じ面(5面)に、厚生労働省が国庫負担を全廃した場合のシミュレーションを試算しているので、紹介したいと思います。

関連投稿記事:11月1日「雇用保険から国庫負担をなくします」

シミュレーションは下記のとおりになると記載しています。

現状と同レベルの失業率の場合  毎年5,700億円程度の黒字
失業率が現状から悪化した場合  2008年度から赤字転落

雇用保険の積立金残高についても、シミュレーションの最終年度である2011年度において現状の雇用状況では2005年度に比べて2.4倍=6兆7,600億円になるのに対して、悪化した場合は2005年度に比べて30%減少するようです。

やはり数字で具体例が公表されると説得力が増しますし、今後の労働政策(ここでは雇用保険財政)というものが明確に国民に伝わることは間違いないので、今回のシミュレーションについては非常に評価したいと思います。


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2006年11月11日

ホワイトカラーエグゼンプションの審議 続編

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

社労士試験の合格発表が昨日行われたわけですが、ひそかにとんでもないことが起こっていました。試験センターにアクセスしていただければわかると思いますが、選択式の2点でもいい科目に発表時にはなかった「雇用保険法」がひそかに追加されていたのです。

発表時の記載ミス・記載漏れであったのかもしれませんが、こんなことが起こっていては今年の問題(の質の悪さや出題ミスの急遽公表)も含めて試験センターは何をやっているんだという不信感を拭うことはできません。試験センターには猛省してもらいたいものです。

今日は、2日前に投稿した「ホワイトカラーエグゼンプション」についての実際の審議の状況が日経新聞の記事に載っていたため、これを取り上げたいと思います。

(NIKKEI NETより引用)

自由度高い労働時間制、厚労省が労政審に素案

 厚生労働省は10日、雇用ルール改革を話し合う労働政策審議会(厚労相の諮問機関)労働条件分科会を開き、今後の議論のたたき台となる素案を示した。ホワイトカラー社員を労働時間規制から除外する条件として、企業に従業員の健康管理や週2日相当以上の休日の確保などを義務づけ、労働基準監督署による監視強化も盛り込んだ。雇用ルール改革は今回の素案を軸に労使代表が具体策を詰める段階に入った。

 素案はホワイトカラー社員を規制の対象外とする新制度を「自由度の高い働き方にふさわしい制度」と定義。企業が導入する条件として、社員の健康維持など複数の義務を課した。

(引用ここまで)

導入条件の素案は

(1)週休2日相当の休日の確保、具体的には4週4日以上、年間週休2日分(104日)以上の休日を取れるように義務づける
(2)月80時間以上残業の場合は医師が指導

などといったことです。長時間労働させることになるかもしれない以上、当然の対価ではあると思います。

更には対象となる労働者=ホワイトカラーを以下のように定義しています。

(1)労働時間と仕事の成果が比例しない働き方をする
(2)権限・責任を相当持つ
(3)仕事の進め方や時間配分などで上司から指示されない
(4)年収が相当程度高い

条件としては企画業務型の裁量労働制に似ていなくもないですが、ポイントはやはり(4)年収が相当程度高い でしょう。また(2)や(3)も含めれば対象となるホワイトカラーはかなり限定されるのではないでしょうか。経営側が主張する「年収400万円以上」ではあまりにもハードルが低すぎると思うし、厚生労働省もそういう解釈をしたのでしょう。

あくまでも「素案」なのでこれからも議論は重ねられていくものと思いますが、このホワイトカラーエグゼンプション導入をはじめとした労働基準法の改正法案が来年の通常国会で提出される予定であること、そのために年内には審議会の最終報告をまとめるということなのであまり時間は残っていないはずですから、時間切れにならないようにしてもらいたいと思います。人事・労務関係者にとってはこの問題は目が離せないものと思います。

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2006年11月07日

社員寮の光熱費水増し請求発覚

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

前半はちょっと野球ネタをいくつか・・・。

カープの黒田投手、FA宣言せずにカープ残留

別の野球ブログでも書いていますが、黒田投手がいるのといないのとでは全然違います。黒田投手=カープの投手3人分ですから、残留することでブラウン監督もご満悦のようでしたが、やはり「ファンの願い」が決め手となったのでしょう。

ハワード爆発!打たれた投手は・・・

全員ジャイアンツの投手ですね・・・。原監督はどう思っているのでしょうか・・・。

ここからが本題です。朝日新聞が偽装派遣について力を入れているのは有名ですが、少しズレはしますが、派遣会社の社員寮における光熱費を水増しで給料から天引きしていたというとんでもないことが載っていたので紹介したいと思います。

(Asahi.comより引用)

派遣会社、社員寮の光熱費水増し 契約社員から天引き

 工場への労働者派遣や製造請負を手がける大手人材会社の高木工業(東京)が、社員寮の水道・光熱費を水増しして契約社員に請求し、給料から天引きしていたことがわかった。これまでに東京、神奈川、静岡3都県の4営業拠点で200人を超える水増しが判明。取り過ぎは少なくとも数百万円にのぼり、さらに増える見通しだ。同社は「返金しておわびしたい」としている。

 4営業拠点を所轄する労働基準監督署や労働局は事実関係を調べる見込みだ。人材会社の光熱費や寮費をめぐっては、労働者から「請求が不透明だ」との指摘が相次いでいたが、これほど大量の水増し天引きが明るみに出るのは初めて。

 高木工業によると、最初に発覚したのは、横浜営業所。派遣・請負労働者約100人の水道・光熱費で昨年9月〜今年4月の間に数百万円の水増しがあった。本来会社側が負担すべき寮の空き部屋の水道・光熱費の基本料などを毎月、入寮者に上乗せし、給料から天引き。その際、労働者側には電気代などの明細書を示していなかった。

 利益確保のため前営業所長が行ったとみられ、同社は近く前営業所長ら計6人を半年間の減給処分とする。

 また、東京都八王子市や神奈川県平塚市、静岡県三島市の営業拠点でも計100人程度の水増し請求が判明。返還金額は調査中で、関係者を追って処分する方針だ。同社では以前から水増し請求の指摘があり、不正行為が横行していた可能性もあるため、全国の拠点で調べている。

 横浜営業所の男性契約社員(37)は「少ない給料から勝手に天引きしており、詐欺的だ。会社側は問題を今春に把握していながら、きちんと対応しなかった」と憤る。

(引用ここまで)

記事を見る限りでは、このような不正行為がかなり前から横行していたようです。1件の不祥事で全国に飛び火する(あるいはしようとしている)のは年金保険料の不正免除問題、最近の中学校・高校による必修理由科目逃れと変わりありませんね。これらと違うのは、労働者側が「おかしい」と感じていた点だと思います。

引用記事では「前営業所長」が利益確保のために行ったと書いてありますが、1箇所であればその言い訳も通用するでしょうが数箇所、調査によっては全国的な可能性もありますから、「会社ぐるみ」と批判されてもおかしくない不祥事ではあると思います(実際に会社ぐるみであるかどうかは当然わかりませんが)。

結局被害にあっているのは正社員でない請負・派遣・契約社員等の立場の弱い労働者です。正社員である者とそうでない者との格差がこういう形で現れてしまうのは非常に残念です。こういったことが起きてしまうと、同業他社も「同じ事をしているんじゃないの?」と疑われてしまう可能性が非常に高いですから、この件を教訓にして適切な労務管理を行うことを望みます。


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2006年11月05日

パートタイマーの正社員化は進むのか

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

日米野球、昨日のライアン・ハワード選手の2本目のホームランは凄かったですね!甘く入ったスライダーを「これでもか!」とばかりに思い切り叩いた打球はバックスクリーン最上段に当たる超特大弾でしたから、昨日観戦した方はこの1発だけでお金を払った価値があったでしょう。私はテレビで見たのですが、素直に「凄い」とだけ思いました。

今日は、産経新聞に「パートタイマーの正社員化を努力義務としてパート労働法に記載」という記事を見つけたので、紹介したいと思います。

(Sankei Webより引用)

パート正社員化促進 法に明記、義務づけ 厚労省

≪パート労働法改正案を次期通常国会に提出≫

 厚生労働省は4日、正社員と非正社員の格差是正のため、企業に正社員とパート社員のバランスのとれた処遇(均衡処遇)をとることや、正社員への転換を促進するようパート労働法に明記する方針を固めた。現在は同法に基づく指針で法的拘束力のない努力義務だが、法律に書き込むことで一定の強制力をもたせる。パート社員の均衡処遇や正社員転換は、安倍晋三首相が掲げる再チャレンジ支援の中核策でもあり、厚労省は次期通常国会に改正法案を提出する。

 改正法案はパート社員について、(1)責任(職務)や転勤・昇進などの有無(人材活用の仕組みや運用)が正社員と変わらないなら、同じ賃金表や査定基準を使う(2)正社員転換を容易にするための諸制度を整備する−などが柱。均衡処遇に関して、現行法は「均衡等を考慮して必要な措置を講ずる」にとどめているが、これでは不十分として「均衡を図るように努める」と明確に規定する。

 企業が人件費圧縮のために非正社員化を進めた結果、パート社員も多様化し、「子育てを終えた主婦が1日に数時間働く」ばかりではない。

 厚労省によると、平成17年に労働時間が週35時間未満の雇用者は、男性だけで384万人と5年で85万人増えており、「正社員なみに働くパート社員も少なくない」とされる。

 さらに、厚労省の外郭団体、21世紀職業財団による昨年の調査では、職務と人材活用の仕組みが正社員とほとんど同じパート社員の賃金水準が、正社員と「ほぼ同額」は14.5%にとどまり、「8割程度」が24.4%、「7割程度」が19.9%との結果が出た。

 こうした実態を踏まえ、厚労省は「格差是正の観点からも均衡処遇を進める必要がある」と判断。安倍内閣が掲げる再チャレンジ支援に沿って、パート社員の正社員転換促進も強調する。

 独立行政法人、労働政策研究・研修機構の昨年の調査では、転換制度を持つ企業は全体の48・0%と半数に満たないうえ、実際に適用実績のあるのは23.3%にすぎない。このため、パート社員に応募機会を与えることを企業の「努力義務」として改正法案に盛り込みたい考え。

 ただ、規制強化を迫られる経営側は「処遇は、各企業がパート社員に求める内容によって変わってくる」(日本経団連)、「パート社員の処遇改善は着実に進展している」(全国中小企業団体中央会)などと反論、法律による義務化には警戒感が根強い。

(引用ここまで)

これまでは「指針(ガイドライン)」ということでソフトに求めてきたものを、これからは法律で「努力義務にする」ということで少々きつい言い方になった、というイメージで捉えていただけたらと思います。さすがに命令口調の「強制義務」(法律で〜しなければならないという文言)はパートタイマーで働く方の事情を考えて採用は見送られたのかもしれません。

現実にフルタイムのパートタイマーはいるわけですから(私の母が実際にそう)、従来のパートタイマーのイメージとはかなり変わっているのは間違いありません。そうなれば現実に即した法律に変えていくのが自然の流れではあると思います。経団連等の経営側は引用記事のとおりになれば人件費負担が増えますから当然嫌がるわけですが、今年の4月からパートタイマーに関する助成金が拡大されましたから、助成金などもうまく活用してパートタイマーの待遇改善を図ることも経営の重要課題になっていくと思います。


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2006年11月02日

「特別」賞与

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

一昨日から、「真の世界一決定戦」と銘打ったバレーボールの国際大会が日本で行われていますが、日本は格下の台湾にいきなり負けてしまいました。正直言って、あのバレーボールの「作られた」応援では見ているほうもモチベーションは上がりません。昨日は客席に「ビッグフラッグ」が掲げられるのをテレビで見ましたが、やはり自力でそういう雰囲気にさせないとビッグフラッグの意味がありません。千葉ロッテマリーンズのビッグフラッグを見るとどうしても見劣りしてしまうので、そういった応援を参考にして欲しいです。

今日は、特別賞与のことを取り上げたいと思います。

(NIKKEI Bis-Plusより引用)

エルピーダ、初の特別賞与・1人平均25万円

 半導体大手のエルピーダメモリは11月中旬、グループ社員に1人当たり月給の0.78カ月分の特別ボーナスを支給する。2006年7―9月期の業績が過去最高となったことを受け、社員に利益を還元する。今後も利益が一定水準を超えれば四半期ごとに支給し、社員の士気向上や人材獲得につなげる。今年の年間賞与は電機業界で最高水準になる見通しだ。

 対象は部長クラス以下のグループ企業社員約2800人で、総支給額はおよそ7億円。1人当たりの平均額は25万円になる計算だ。

(引用ここまで)

業績が過去最高レベルになると、特別賞与を出して社員に還元するということはよくあると思います。私の最初の就職先である消費者金融業界はまさにそれで、年2回の賞与に加えて決算賞与などの特別賞与がごく当たり前のように支給されていました。今の消費者金融業界の現状では特別賞与を出せる状態ではないと思いますが・・・。

四半期ごとに支給される可能性があるということは、通常の賞与に加えて年4回特別賞与が支払われる可能性があるということになりますから、社員のやる気が出てくるのは当たり前です。高橋伸夫東大教授の「虚妄の成果主義」という本では、



「日本の人事システムは給料で報いるシステムではなく、次の仕事で報いるシステム」ということを書いていますが、過剰ではなくても公平に給料(この場合は特別賞与ですが)が支給されるのであれば、賃金で報いることもありだと思います。

当然業績が過去最高レベルを続けることが条件になりますから、特別賞与をあてにするのは考えものです。経済状況によって突然赤字転落ということは当たり前のように起きますから、あくまでも「特別」賞与であるということを認識するべきだと思います。


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2006年11月01日

雇用保険から国庫負担をなくします

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

年賀ハガキの発売が開始されましたね。普段は年賀状など全く書かない筆不精(というよりは怠け者に近いですが・・・)な私ですが、来年は年男(=亥年)でもあるので心機一転、年賀状を書くようにします。また、今回だけということではなく習慣付けようと思います。ということになれば、年賀状用のソフトも買わなければいけませんね・・・。





今日は、日経新聞の経済面に雇用保険の国庫負担を廃止する考えの記事が載っていたので、取り上げたいと思います。

(NIKKEI NETより引用)

雇用保険、国庫負担全廃で一致・財制審

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は31日の会合で、失業手当などに充てる雇用保険の財源のうち4分の1程度を占める国庫負担について、全廃すべきだとの考えで一致した。保険料の積立金残高が今年度予算で3兆3800億円にのぼるなど財政が健全なため、国の関与は不要と判断した。11月下旬にまとめる来年度予算編成に向けた建議に全廃方針を明記する予定だ。

 国庫負担額は2006年度予算で3939億円。残りの4分の3程度は労使の保険料で賄っている。会合では「雇用された人だけが対象の保険に国庫負担をすべきではない」との意見が続出した。

 西室泰三会長は会合後の記者会見で「現在の雇用保険会計は極めて健全。労使拠出だけで賄える。国庫負担は全廃してもいい」と明言した。深刻な不況時には国庫負担を再開する制度改正をした上で、来年度予算から大幅削減する必要があるとの考えを示した。

 積立金を少子化対策など他の財源へ転用する声が出ていることには「余裕があれば労使負担も下げるべきだ。他の目的に使う性格ではない」とクギを刺した。

(引用ここまで)

そもそも、雇用保険に国庫負担があるということを知っている方はどれくらいいるでしょうか?知っているのは上記のように財務省(に関係する人々)・厚生労働省(に関係する人々)・我々社会保険労務士及びその受験生など限られた人しか知らないと思います。

上記引用記事のとおり、雇用保険は代表的な失業保険等の求職者給付に4分の1の国庫負担があり、その他にも国庫負担がなされています。現在の雇用保険財政は引用記事のとおり積立金がたくさんあることから雇用保険の保険料率を下げることが内定していますし、今の状態が続くようであれば国庫負担は不要という判断をしたのでしょう。

国庫負担を廃止したら失業率が急上昇して雇用保険(主に失業保険)の受給が殺到した、という間の悪い事態が発生しないように願うばかりです。また、雇用保険の国庫負担は雇用保険法に記載されているので、廃止となれば当然法改正になります。ということは今後の社労士受験生にとっても注目することになるであろう論点であると思います。


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2006年10月30日

失業保険の被保険者期間延長へ

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

土曜・日曜はこちらのブログをお休みしていましたが、その代わり別ブログの充実を図るためにひたすら記事を書いていました。

(1)つぶやきブログ
(2)趣味の野球ブログ
(3)社労士受験者のためのブログ

(1)についてはある「裏技」を利用することで大幅なアクセスアップにつながりました。(2)は記事を大量に投稿すること(野球ということでネタは数多くあるから)でアクセスアップを試みており、徐々に結果が出ているように思います。(3)は最近始めたばかりなのでまだまだですが、徐々にコンテンツは充実させていこうと思っています。短期的に結果を出そうとは考えておらず、長期的に見ていこうと思っています。問題はこの本ブログですが(大汗)、こちらもアクセスアップについてやれることはやっていこうと思います。

今日は、日経新聞の1面に雇用保険の基本手当(失業手当)の被保険者期間を延長する動きが載っていたので紹介したいと思います。

(NIKKEI NETより引用)

失業手当、自主退職には制限も・厚労省

 厚生労働省は雇用保険制度の失業手当について、自主退職した人の給付を制限する方向で検討に入った。失業手当を受け取るために必要な保険料を納める期間を、自主退職の場合は最低で、現在の6カ月から12カ月に延ばす案が有力。短期間で自主退職して失業手当を受け取る方が有利との批判が出ていることに配慮する。

 これまでは労働時間が短いパート労働者を除き、失業手当を申請する際の理由が自主退職でも、企業のリストラなどによる解雇でも保険料の最低納付期間は6カ月間で同じだった。自主退職者への給付を制限する案は、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)雇用保険部会で協議し、来年の通常国会に雇用保険法の改正法案を提出する方針だ。

(引用ここまで)

引用記事のような方向に動く理由は、過去3年間に複数回の失業手当を受ける、つまり通常の被保険者期間6ヶ月勤務後に退職→失業手当を受給→受給終了後また短期の仕事に就くといったことを繰り返す事を問題視しているからだ、と日経新聞には書いていますが、この件についてはブログで投稿しているので参照していただけたらと思います。

9月18日投稿:失業手当の短期間複数回受給問題

参照記事のような働き方は厚生労働省にとっても問題でしょうが、会社にとっても、労働者にとっても問題です。失業保険を頼りに生活するのは正直言って無理があります。また、本人のキャリアというものを考えても得策ではありません。引用記事のように被保険者期間を6ヶ月から1年にすればそれなりの効果は出るでしょう。

問題は「短期間で自主退職して失業手当を受け取る方が有利との批判」です。どこからそういう批判が出てくるのでしょうか。短期間で退職→失業保険の受給はどう考えても継続して労働する人に比べても不利になるに決まっています。自己都合退職の場合は7日の待機に加えて3ヶ月間の給付制限があり、給付日数もわずか90日分です。給付金額の1日分も通常の賃金1日分に比べたら5〜8割程度、社会保険の恩恵もない(自腹で国民年金保険料を支払う)から、どう考えても有利なわけがありません。

ただ、「働く」という意味を考えるのであれば、被保険者期間の延長も大きな意味を持つのではないかと思います。


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2006年10月23日

今度は労働局かよ・・・

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

ミハエル・シューマッハの逆転チャンピオンはならず、フェルナンド・アロンソが2年連続でF1ワールドチャンピオンになりました。そのアロンソですが、来年からはマクラーレンのドライバーとして3年連続チャンピオンに挑戦することになります。近年のシューマッハ帝国に続いて「アロンソ帝国」が築かれていくのか、シューマッハに代わってフェラーリのドライバーになるキミ・ライコネンや、最終戦を勝利し来年はほぼイコールコンディションで2年目のフェラーリドライバーを走ることができるフェリペ・マッサなどが「アロンソ帝国」を阻むのか、いずれにしてもアロンソ中心のF1になることは間違いないところでしょう。

今日は、昨日投稿したとおり社会保険庁改革法案を廃案に追い込むことになった社会保険庁(社会保険事務所)の全国的な年金保険料不正免除問題に続いて、今度は全国の労働局でカラ残業などが発覚したという、また厚生労働省管轄の役所スキャンダルが読売新聞に載っていたので紹介したいと思います。

(YOMIURI ONLINEより引用)

カラ残業・出張、ヤミ休暇も…労働局不正に動かぬ証拠

 カラ残業、カラ出張、果てはヤミ休暇――。厚生労働省の労働局を巡る不正経理問題で、様々な不正の手口の実態が、読売新聞の全国調査で明らかになった。

 このうちカラ残業は、夜間の庁舎管理用に導入された無人警報装置の作動記録データが動かぬ証拠となり、不正が発覚していたことがわかった。国の労働行政を担う現場で、あの手この手で公金を食い物にした不正の数々。その乱脈ぶりが次々と浮かび上がった。

 会計検査院による調査では、福島、高知などの労働局で、約1億円のカラ残業が判明している。

 関係者によると、実態に合わない超過勤務手当を一律に支給していた複数の労働局では、職場を最後に退庁する職員が、無人警報装置のスイッチを入れることになっていた。ところが、同手当を受け取っていた職員の多くは、同装置の作動開始時間後も、庁舎内に残って残業していたことになり、不自然な支給実態から不正が見つかったという。

(引用ここまで)

呆れてモノも言えないのは今更言うまでもありませんが、社会保険庁の不正と同様に結局全国的にこういった事態が当たり前のように行われていた、ということが断定はできませんが芋蔓式に明らかになってしまうことが想像できます。このような連中が労働行政を担っていると思うと腹が立つ、と感じる方が多く出てくるのは必至でしょう。

社会保険行政に続いて労働行政も、ということになりますから、その行政の総元締めである厚生労働省の責任は?ということも持ち上がってくるかもしれません。この件は読売新聞の調査で明らかになったので、朝日新聞が偽装派遣・請負問題を特集にしているように、読売新聞が更に詳しい取材をしてくれることでしょう。


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2006年10月22日

【速報】社会保険庁改革法案、廃案へ

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

昨日、箱根駅伝の予選会が行われ、早稲田大学他9大学が本番の出場権を獲得しました。その中には私の出身大学である明治大学も含まれています。先日投稿したようにラグビーは出口の見えないトンネルに嵌ってしまっていますが、駅伝については昔の水没状態から予選会を突破できるレベルに這い上がってきたのでOBとしては嬉しい限りです。あとは本選で結果を残し、常にシード大学になれるように努力してもらいたいものです。

今日は労災の記事を取り上げようか、と思いましたが、社会保険庁改革法案が廃案の方向になったということがネット上で表われたため、急遽こちらを取り上げたいと思います。

(Yahoo NEWS-毎日新聞より引用)

<社保庁改革法案>審議未了・廃案へ 政府・自民党が調整

 政府・自民党は21日、継続審議となっている社会保険庁改革法案について、臨時国会の会期末に審議未了・廃案とする調整に入った。同法案は、社保庁の年金業務を国の特別機関「ねんきん事業機構」に引き継ぐことが柱。しかし国民年金保険料の不正免除問題を受け、同党は「社保庁職員が国家公務員のまま新組織に移る案では、来年の参院選で勝てない」と判断した。年金運営組織の職員を非公務員化する法案に練り直す意向だ。

 今年の通常国会に提出された同法案は、08年10月に社保庁をねんきん事業機構と、医療保険を運営する全国健康保険協会に分割する内容。同協会職員は非公務員だが、同機構職員は「公的年金への信頼回復のため、国の新たな行政組織として再出発することが重要」として、国家公務員の身分を維持させる。

 ところが今年3月に不正免除問題が発覚した。法案を継続審議とした与党は今の臨時国会で現法案を修正する考えだったが、世論の反発を警戒し断念。再び継続扱いとすれば参院選に影響するとみて、廃案とすることにした。近く自民党の中川秀直幹事長と丹羽雄哉総務会長が会談し、こうした方針を打ち出す見通し。

 社保庁改革をめぐっては、安倍晋三首相が9月の自民党総裁選で「解体的見直し」を主張。首相就任後も「すべて公務員でやらないといけないのかを含め、もう一度見直す必要がある」と再三強調している。

 自民党は、年金運営組織を非公務員型に改める新法案を、来年の通常国会以降に提出することを念頭に置いている。だが、公的年金を非公務員に委ねることに対する議論は不十分で、自民党が志向する法案が実現するかどうかは不透明だ。

(引用ここまで)

参院選で戦えなくなるという政治的判断で法案を廃案にしてしまうのは消化不良の感じがしないでもないですが、それだけ全国に蔓延した(国民)年金保険料不正免除のスキャンダルによるダメージが大きかったのでしょう。社会保険庁(社会保険事務所)の職員はとりあえずはホッとしているでしょう。当面は現状維持になることが明らかになったわけですから。

問題は今後の新法案の提出でしょう。こうなった以上全く新しいものを用意するしか選択肢がないわけですが、国民が納得のいく、年金制度について安心を持つことができる新法案を作り、話し合いの代表の場である国会でしっかりとした議論をして欲しいと思います。年金というのは今まで以上に重要な政治・経済・社会問題ですから、その点も意識して欲しいと思います。


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2006年10月17日

派遣社員の増加傾向

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

明日は社会保険労務講座の2回目の講義です。さすがに前回=全くの初めての講義よりは緊張はしないと思いますが、手を抜くと大変なことになってしまうのは間違いないので、しっかり準備をして講義に臨みたいと思います。

今日は、昨日の日経新聞に載っていた派遣社員の割合の記事について紹介したいと思います。

(NIKKEI NET 10/15付より引用)

派遣社員の割合が正社員の12%に、98年の2倍超す

 厚生労働省が16日、2006年の「就労条件総合調査」を発表した。派遣社員を受け入れている企業では、正社員などの常用労働者に対する派遣社員の割合が12.4%となり、1998年の前回調査より6.6ポイント上昇した。

 常用労働者が30人以上いる4416社を対象に調べた。派遣労働は通訳や秘書業務など専門性の高い分野に対象業務が限定されてきたが99年に人材派遣の対象業務が原則自由化され、新たな働き方として選択する人が増えている。

 また1企業が派遣社員の受け入れに使う平均費用は前回調査を約3割上回り、1カ月あたり約7900万円だった。ただ派遣社員1人を受け入れるため企業が派遣会社に払う費用は1カ月約23万円で前回調査より約2割減った。厚労省では「対象業務が広がり賃金が安い傾向がある専門性の低い分野に派遣社員が入ってきたため」(統計情報部)としている。

(引用ここまで)

規制緩和により派遣の対象業務が広がってきたことや、労働者自身の働き方の意識の転換もあるし、最近では正社員として雇用されることを想定した紹介予定派遣制度といったものが派遣社員の増加(倍増)につながっているのでしょう。求人情報でも派遣社員の情報記載のないものは存在しないくらいに派遣社員に対するニーズやマーケットがそれだけ広がったこともあるでしょう。

ただし、あくまでも「派遣」ですから、正社員との立場と比べると明らかに弱いのは間違いないところなので、専門職務の一分野を任されるのではなく、ある意味便利屋的存在として利用されてしまう可能性もありますから、派遣元会社・派遣先会社・派遣労働者本人が納得いくまで話し合ってなるべくマッチした仕事先を選別できるように努力はするべきだと思います。

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大企業ではおそらく問題はないと思いますが、中小零細企業で派遣労働者を受け入れる可能性がある場合は何かしらのトラブルが起こる可能性がないともいえないので、派遣労働に関する労務管理を知っておくために、下記のものが参考になると思います。

労働者派遣法のしくみと労務管理
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2006年10月15日

パートタイマーもサービス残業

こんばんは、「ゴーゴー社労士」です。

デトロイト・タイガースがMLB・アメリカンリーグの優勝チームになりました。

タイガースは2〜3年前には50勝もできず(MLBは162試合制、当然所属するアメリカンリーグ中地区でダントツの最下位)、文字通り「ダメ虎」だったわけですが、そこから這い上がって今年の栄光につながったのはある意味奇跡かもしれません。しかも4連勝=スイープで決めてしまったのだから驚きという以外ありません。

また、中日ドラゴンズの川相昌弘選手が引退を表明しましたが、本来であればすでに「よそのチーム」で内野守備走塁コーチをやっていたはずなのに、その「よそのチーム」の監督に関係するトラブルでドラゴンズに流出してしまいました(引退後は「ドラゴンズ」でコーチをするようです)。非常に勿体ないことをしてしまったと思います。

今日は、朝日新聞のウェブサイトに載っていた、パートタイマーもサービス残業という記事を紹介したいと思います。

(Asahi.comより引用)

パートの3割超、サービス残業 職場で重要な戦力に

パートタイマーの3割以上が、いくら残業をしても賃金に反映されないサービス残業をこなしていることが、民間最大の産業別労組「UIゼンセン同盟」の調べで分かった。パートは時給で賃金が決まるためサービス残業は発生しにくいとされていた。だが、多くの職場でパートが重要な戦力となる中で、違法な不払い労働が正社員だけでなくパートにも広がっている実態が浮かび上がった。

 流通や繊維、化学などの労組でつくるUIゼンセン同盟は、他の産業別労組に先駆けてパートの労組加入を進めている。調査は今年2〜4月にかけ、正社員約1万3000人・パート約6000人の組合員を対象に行った。

 それによると、独身女性のパートの場合、過去数カ月にサービス残業をした人は、労働時間管理の対象となる人(無回答を除く)の40%に及び、月平均のサービス残業時間は10時間に達していた。既婚で夫が正社員の「主婦パート」でも32%の人が月平均8時間のサービス残業をしていた。

 調査担当者は「始業前や終業後にこなす15分ほどのサービス残業が積み重なったケースも多いと見られ、正社員のサービス残業とはまだ深刻さが違うが、本来、ゼロであるべき数字。パートの戦力化が進んで管理職からの圧力が強まったことが背景にある」と話す。

 同じ調査で正社員の場合、男性の58%が月平均26時間、女性だと44%が同15時間のサービス残業をしていた。

(引用ここまで)

正社員でサービス残業という状況が当たり前になっているのだから、更に立場の弱いパートタイマーも推して知るべし、というような結果ではないでしょうか。

仕事をする以上は残業というものは避けて通ることは基本的にはできません。法定労働時間(1日=8時間、1週=40or44時間)の兼ね合いもある以上、三六協定を締結して残業をさせることを可能にする代わりに、その分を残業手当として支給するのが労働基準法としての本来の姿であるのに、それが「サービス残業」として履行されないのはかなり残念です。その分、「サービス残業」が労働基準監督署の調査でバレた場合に多額の「サービス残業」分の賃金を払うという代償を負うわけです。

あくまでも労働組合側の調査であって、経営側はその調査に対してどのような反応をするかはわかりませんが、残業をする=その分の賃金を支払うという当たり前のことを励行するように努力はすべきだと思います。そう言うと経営側は「意味もなく残業を・・・」と答えるほうが多いと思いますが、残業はできることならしたくないのが労働者側の本音です。法定・所定労働時間内に仕事が終わらないために残業するというのが残業に対する常識的な反応ですから、その点は理解してあげるべきでしょう。

パートタイマーを活用することも経営上必要な要因となる会社もあるわけですから、その点の理解もしてあげるべきだと思います。

これで今週の社会保険労務講座の時事ネタ(今週は労働時間)に困らずに済むので、助かりました(笑)。


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2006年10月13日

賃金を「差っ引いて」はいけません

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

日本のプロ野球は、両リーグ共に優勝が決定し、日本シリーズで日本一を賭けて戦うわけですが、両チーム共に「久しぶりの日本一」を賭けて戦うことになります。セントラル・リーグの優勝チームである中日ドラゴンズが日本一になったのは1954年(昭和29年)が最初で最後、主力選手が杉下茂投手、西沢道夫内野手の頃です。一方、パシフィック・リーグの優勝チームである北海道日本ハムファイターズが日本一になったのは、前身球団である東映フライヤーズでの1962年(昭和37年)がやはり最初で最後、主力選手が張本勲外野手、土橋正幸投手の頃です。いかに日本一から遠ざかっているかが理解できると思います。両チームにはお互いのプライドをぶつけ合って日本一を達成できるようにがんばってもらいたいものです。

今日は、少し強引ではありますが賃金の話を取り上げたいと思います。

(Sankei Webより引用)

「料金払えば、給料から引く」 会社ぐるみでETC突破

 「燃料が高騰し、利益を上げるには料金所を突破するしかない」と、従業員を乗せて高速道路のETCレーンを突破してみせ、従業員に突破を教唆したとして、静岡県警高速隊は12日、道路整備特別措置法違反と同法違反教唆の疑いで、運送会社社長らを逮捕した。

 県警によると、同法違反教唆での逮捕は昨年10月の改正以来、全国初。

 逮捕されたのは、運送会社社長、大野一彦(36)=千葉県木更津市桜町=と、部下の運転手、立石明博(29)=同県市原市五井西=の2容疑者。

 調べによると、大野容疑者は8月25日午前5時20分ごろ、静岡県富士市の東名高速道路富士料金所で、ETC車載器のない会社名義の大型トラックでETCレーンを強行突破。助手席の立石容疑者にも突破を教唆した疑い。立石容疑者はその後、9月15日にも同料金所を突破した疑い。

 大野容疑者は、7月18日にも、入社したばかりの立石容疑者を同乗させ、「有料道路を使えば、通行料金は給料からさっ引く」などといい、同料金所を強行突破してみせていた。

 県警は大野容疑者らが会社ぐるみで犯行を繰り返していたとみて、余罪を追及している。

(引用ここまで)

一体どこが「賃金」と関連があるのかというと、「有料道路を使えば、通行料金は給料からさっ引く」という身勝手な言い分です。

労働基準法では賃金支払5原則という原則があり、その中に全額払いの原則があります。ただし例外として法令に別段の定めがある場合や労使協定がある場合には一部控除が可能です。前者は健康保険・厚生年金・雇用保険・源泉徴収などが給料から差し引かれてあるのをご承知のことと思います。後者は組合費等を徴収する場合があります。

上記のような「有料道路を使えば、通行料金は給料からさっ引く」といったことは明らかに賃金の全額払いに反する可能性が非常に高いです。運送会社にとっては燃料(ガソリン代)の高騰については非常に頭の痛い問題であることは間違いありませんが、だからといって強行突破という考えでは知恵がなさ過ぎるといわれても仕方がないでしょう。もちろん労働基準法の考えからしても、こういった形で「賃金をさっ引く」といたことが許されるはずがありません。


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2006年10月07日

「権利の乱用」と「権利の濫用」

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

今日からパシフィック・リーグはポストシーズンが始まります。その第一段階がプレーオフ第1Sで、西武ライオンズと福岡ソフトバンクホークスがプレーオフ本選進出権をかけて2戦先勝形式で戦います。本選から出場する北海道日本ハムファイターズを含めてレギュラーシーズンではハイレベルなシーズン1位争いを今シーズンは演じていますから当然ハイレベルな戦いが期待されます。その中に千葉ロッテマリーンズがいないのが残念ですが・・・。

今日は解雇の問題を取り上げたいと思います。解雇は労働基準法第18条の2「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合はその権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されている(いわゆる解雇権濫用法理)ように、就業規則等で規定されている根拠等がなければ基本的には解雇はできません。昨日、この「解雇権濫用」が適用されて最高裁で原告勝訴の逆転判決が出たという記事を紹介したいと思います。

(YOMIYURI ONLINEより引用)

「ネスレ日本」従業員の解雇無効…最高裁判決

 食品メーカー「ネスレ日本」霞ヶ浦工場(茨城県稲敷市)の元従業員2人が、過去の上司への暴行などを理由に懲戒解雇されたのは不当だとして、同社に従業員としての地位確認などを求めた訴訟の上告審判決が6日、最高裁第2小法廷であった。

 古田佑紀裁判長は、「暴行から7年以上経過した後の懲戒処分に合理的な理由はなく、権利の乱用にあたる」と述べ、原告側の請求を棄却した2審・東京高裁判決を破棄。解雇を無効として、同社に未払い賃金の支払いを命じた1審・水戸地裁龍ヶ崎支部判決が確定した。

 判決によると、元従業員2人は1993年から94年にかけて、計3回、有給休暇などを巡るトラブルから上司のひざをけったり、首を締め上げたりした。同社は、2人がその後も複数回、上司に暴言を吐くなどしたとして、2001年に懲戒解雇処分にした。

 同社側は、「暴行事件の捜査結果を待っていたため処分に時間がかかった」などと主張したが、判決は「時間の経過とともに職場の秩序は回復しており、処分時点では、重い懲戒処分を課す必要はなかった」と判断した。

(引用ここまで)

普通であれば上司に暴行をすれば余程のことがない限りは即時解雇されてもおかしくはないことだと思います。それを「処分に時間がかかった」といっても7年も後に解雇という処分を下すのは間違いなく問題でしょう。その時点で解雇処分をしていれば問題なかった可能性は十分にありえたはずです。

解雇については、「どういったことが合理性のあるものか」というものを判断するのが非常に難しいですから、結局裁判に委ねるしかないのでしょう。もっとも、こういった(解雇の問題にかかわらず)労使トラブルが起きないように十分注意を払うべきだと思います。

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労使トラブル、特に労働者側にとって非常に役にたつかもしれない情報です


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最後に気になったことがあります。引用記事では「権利の乱用」と書いてありますが、「権利の濫用」じゃないんですか?新聞各社のWEBサイトいずれも「権利の乱用」と書いてあります。最初は間違いじゃないのか?と思いました。

(追記)
ブログ仲間の税理士の木村先生のコメントのリンク先を見たところ、一般的には「権利の乱用」が使用されており、新聞記事もそれに倣っているようです。「権利の濫用」は法律でしか使用されていないようです。

よって、本投稿のタイトルを変更すると同時に、最後の段落の文章の一部を削除いたしました。


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2006年09月20日

過労で退職後の自殺=労災認定の結末

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

千葉ロッテマリーンズの諸積兼司選手が昨日現役引退を表明しました。シーズンが始まっていきなり引退宣言をしてしまった北海道日本ハムのSHINJO選手を除けば、12球団で一番早くユニフォームを脱ぐことを正式に表明した選手になります。野球に限らず、自らの意志でユニフォームを脱ぐ選手というのは限られており、大半の選手はJリーグでいうところの「0円提示」という形でユニフォームを脱がされることになりますから、「まだやれる」と「引き際」という葛藤のなかで下す決断は非常に難しいものがあると思います。

今日は、以前に「過労で退職後の自殺が労災として認定する」と判決が出た裁判のことを投稿記事として書きましたが、その結末が日経新聞に載っていたので、紹介したと思います。

(NIKKEI NETより引用)

退職1カ月後の自殺、労災認定が確定・国側控訴断念

 過労のため保育所を退職して1カ月後に自殺した元保育士(当時21)の両親が労災認定を求めた行政訴訟で、国側は19日、「自殺は過酷な労働が原因」と認めた東京地裁判決に対し、控訴しないことを決めた。退職後の自殺について業務との関係を幅広く認めた判決が確定、兵庫・加古川労働基準監督署は近く労災認定する。退職後1カ月過ぎて自殺したケースでは初めてとなる。

(引用ここまで)

結局、退職はしたけれども、その原因(過労)を作ったのはその職場だからというロジックが成立するということになりますから、このようなケースでも労災と認定されることになり、今後もこのようなケースは続出する可能性は大きいでしょう。ただし、過労自殺を労災認定するケースについては、労災申請に対してその半分以下にすぎないので、労災認定の判断としては難しいケースなのでしょう。

労災認定を巡る裁判についてはいきなり訴訟ことはできず、労働者災害補償保険審査官に審査請求→労働保険審査会に再審査請求→決定・採決に不服の場合にようやく訴訟ができます。

ただ、過労自殺から労災認定の判決に至るまで長期間かかっています。このケースの最初の事件である電通事件も解決までに長期間かかっているように、事件の解決が長期化すればするほど、それだけ裁判に関する労力を費やすことになりますから、裁判をするにあたってもなるべく短期間で解決できるようにしてもらいたいものです。

また、企業側もこういうケースが続出する可能性が出てきた以上、労働者の過労に対するシグナルを敏感に受け入れることが重要になってくると思います。「うちは関係ないから」と他人事に思っていても、実際にこのようなケースに直面したらどうしますか?


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2006年09月18日

失業手当の短期間複数回受給問題

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

今日、1日限定で吉野家の牛丼が復活したのは皆さんご承知だと思いますが、私の住んでいるところから一番近い(といっても車で25分かかる)東松山でも東京ほどではないにしろ警備員による整理がおこなわれるほど行列ができていました。運がよければ牛丼を久しぶりに食べようと思っていましたが、そのような状況を見て断念しました。段階的に牛丼は復活していくということなので、その機会に回したいと思います。

今日は、失業手当(基本手当)の短期間(3年間)における複数回受給問題が日経新聞の記事に載っていたので、紹介したいと思います。

(NIKKEI NETより引用)

失業手当3年で複数回の受給19万人、厚労省が対策検討

 雇用保険制度の失業手当を3年間で複数回受給した人は受給者全体の3.4%、19万4744人いることが厚生労働省の調べで分かった。うち20歳代が約36%をしめており、失業手当をあてにして短期間で就職と転職を繰り返す若者は多い。

 雇用保険制度では6カ月以上保険料を支払えば、失業した場合に以前の給与の一定割合を失業手当として受け取れる。雇用情勢の改善を受け定職に就く若者を増やすため、厚労省は短期間で複数回受給する人への受給制限など対策を検討したい考えだ。

(引用ここまで)

この引用記事で疑問に思ったのが「失業手当をあてにして〜」という文章です。短期間の複数受給の割合が多い20歳代の若者が手にできる失業手当(基本手当)は倒産などで失業した場合の特定受給資格者でない限り、たった90日分です。会社を辞めた後に待機期間7日間、更に給付制限期間3ヶ月間待ってやっと90日分の受給に入るわけですから、そういう状況を考えると「失業手当をあてにして〜」と言う文章は正直言ってそぐわないと思います。

また、短期間で就職したけれどすぐに辞めてしまうという若者特有の傾向はあるにしても、失業手当をあてにするという計算高い人がどれだけいるか、ということも考慮には入れずに結果だけを書いているようにも思えます。

なるべく長期間働いてもらうために短期間での複数回受給を制限することを考え出したのかもしれませんが、そういうことを考えてもあまり効果がないような気もしますし、失業者側もできることならば失業手当をあてにしたいとは思っていないはずです(受給期間日数が限られているので、日数が終われば結局仕事を探さなければならない)から、「なぜ複数回受給してしまう状況になるのか」ということをよく考えて欲しいし、失業者側もその点を考えた仕事探しをして欲しいと思います。


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2006年09月15日

雇用保険料率が下がります!

こんにちは、「ゴーゴー社労士」です。

千葉ロッテマリーンズの12球団で一番早い順位決定(4位)は以前に投稿しましたが、よく考えれば「翌4位でとどまったな〜」というレベルではあると思います。

昨年は10勝以上挙げた先発投手が6人もいました。先発投手が6人いるということは5・6月の交流試合でも誰が投げるかの予想がつく=ローテーションが固まっている=ということで非常に戦いやすかったはずです。今年もその時期までは先発投手が1人変わっただけで昨年とほぼ同じメンバーでローテーションが回せたため、交流試合は昨年に続き優勝できましたが、シーズン自体では、10勝以上を挙げている投手が1人もいません。

打線も、昨年は70打点以上を挙げた選手が5人もいました、ということは全体的に打線がつながっていたことになりますが、今年はやはり70打点以上挙げている選手は1人もいません。昨年とはうって変わって「打てなさすぎ」度が非常に目立ったと思います。

このレベルだと普通は最下位争いのレベルの数字ですが、よくこれで途中まで優勝争いができたな、というのが実感です。順位争いの面白みはなくなってしまいましたが、残り試合を精一杯戦うことで来シーズンの光が見えてくると思います。

ここから本題に入ります。事業主・労働者にとって間違いなく朗報になります。雇用保険料が来年度から保険料率が下がることになるようです。日経新聞からの引用です。

(NIKKEI NETより引用)

雇用保険料率、07年度0.25ポイント下げ・厚労省方針

 失業手当などの原資になる雇用保険の料率が、2007年度に0.25ポイント引き下げられることが確実になった。厚生労働省が14日まとめた雇用保険の05年度決算で、雇用情勢の改善を背景に保険収支が大幅に好転したためだ。料率下げは1993年度以来、14年ぶりで、企業と家計が払う保険料は合計で年間3500億円以上減る。景気回復が社会保険料負担の軽減に結びつく。

 失業手当の保険料は現在、給料の1.6%分を労使で半分ずつ負担しており、改定で少なくとも0.2ポイント、1.4%に下がる。月給が30万円の会社員なら保険料は月300円減る。労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で調整し、年内にも引き下げを正式決定するが、同省は下げ幅をさらに広げることも検討する。

(引用ここまで)

不景気等の影響で雇用保険の財源(ストック)がなくなってしまうのではないかということで雇用保険料率をこれまでは引き上げてきましたが、(一応)景気は持ち直し、雇用状況もよくなったということで引き下げに踏み切ることになったのでしょう。

ポイントは失業等給付に充てる分の料率が下がるだけでなく、助成金に充てる分の料率も下がることだと思います。事業主負担分は1.5%の負担減になりますから、労働者よりも事業主の方がありがたいと感じていると思います。労働者が数人ならともかく、数百人・数千人のレベルになるとかなりの額の負担減になる(最終的に全国的には引用記事のレベルにまで負担が減る)わけです。

実際に保険料率削減の恩恵を受けるのは労働者は来年度の4月から(給与手引きの関係で)、事業主は再来年度の労働保険の年度更新のとき、と時期は異なりますが、喜ばしいことではあると思います。ということは社労士にとっても再来年の年度更新の時期はビジネスチャンスということで稼ぎ時になるのでは、と考えていますがどうでしょうか。


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posted by gogosharo at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 労務関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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