2006年01月04日

年金保険料未納の「ペナルティー」

こんにちは、「午後から社労士」です。

今日から仕事始めの方も多いと思いますが、私は明日から(勤務
している会計事務所は6日から)仕事を始めます。会計事務所の
方ではこれから年末調整が本番になるので、ミスのないように慎
重に取り組んでいきたいと思います。

今日は読売新聞の思わず「正気か?」と思った記事を取り上げたい
と思います。

(YOMIURI ONLINEより引用)

年金未納なら医療費は全額自己負担に、厚労省が検討

 厚生労働省と社会保険庁は3日、国民年金の長期未納者と長期未
加入者について、国民健康保険(国保)を使えなくする措置を導入
する方向で検討に入った。

 国保が使えなくなると、医療機関に受診した場合の患者負担は全
額自己負担になる。年金の未納・未加入者に対する事実上の罰則規
定を設けるものだ。実施の具体的な基準を詰めたうえで、早ければ
2007年度から実施したい考えだ。

 年金保険料の未納対策としては、社保庁は十分な所得や資産があ
りながら督促に応じない未納者に対し、強制徴収を実施している。

 国民年金の納付率は05年度上半期(4〜9月)現在で、61・
2%(社保庁調べ)にとどまっており、4割弱が未納だ。社保庁は
07年度末で納付率を80%に引き上げることを目標にしている。
だが、目標達成は難しいとの見方が強く、庁内では「強制徴収だけ
では、未納・未加入の抑止効果は見込めない」との意見が出ていた。

 一方、国保の滞納世帯の割合は04年6月現在で18・9%で、
年金よりも納付率は高い。国保が利用できない場合、医療費が全額
自己負担になり、影響が大きいという意識が強いことが原因と見ら
れる。このため、年金未納者らへの“ペナルティー”として、国保
利用を制限する案が浮上してきた。

 ただ、国民年金の保険料徴収は国(社会保険庁)が行っているの
に対し、国保の徴収は市町村という違いがある。年金未納を理由に
国保を使えなくすることに対し、市町村が「国保の納付率も下がる」
などと反発する可能性が高い。今後、厚労省、総務省、自治体などの
調整が必要になりそうだ。

(引用ここまで)

そもそも国民年金の目的と国民健康保険の目的が全く異なる以上、
国民年金保険料を未納したからといって国民健康保険にそのツケ
を押し付けることには上記の通り無理があると思います。当然国
民側も反発することは必至でしょう。また、「ペナルティー」の
意味も取り違えているようにも思います。

国民年金保険法 第1条

国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、
老齢、障害、又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれること
を国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及
び向上に寄与することを目的とする。

国民健康保険法 第1条

国民健康保険法は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もっ
て社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。

国民健康保険法 第2条

国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要
な保険給付を行うものとする。

それでは「年金保険料未納に対するペナルティーは何か?」と尋ねら
れたら、私はこう答えます。

「年金保険料未納に対するペナルティーは、年金の受給権を得ること
ができない」


ごく当たり前の答えなのですが、老齢はともかく、障害や死亡の際も
年金を受給することができないのです。年金額の問題もあることは事
実ですが、ないよりはあったほうがいいに決まっています。年金を受
給する「権利」を得るためには年金保険料を払うという「義務」が必
ず存在します。「義務」を果たさないと「権利」は得られないのです。

そして、その「義務」を果たさないがために不安定な生活状況が長期
間続いても、それは自分で行ったことなので、その責任は自分で負わ
なければなりません。これが「年金保険料未納に対するペナルティー」
だと思います。

確かに年金保険料を何としてでも徴収したい、という厚生労働省や社
会保険庁の考えはわからないでもないですが、それよりも「権利」と
「義務」の意識付けをさせることがもっと重要なのではないか、と思
います。最近は「権利」と「義務」の意識付けができていない人が増
えているようにも思えます。年金教育をする際にもこの「権利」と
「義務」の意識を植え付けることを根源にしないと上手くいかないと
思います。「権利」と「義務」について国・国民がお互いに理解しあ
うことが年金不信を解決するためには必要不可欠だと思っています。


人気blogランキングに参加しています。

blogranking
posted by gogosharo at 13:27| Comment(6) | TrackBack(2) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは♪

SUPERプラス思考↑不死身の公認会計士 伊豆川裕之 です。

権利を主張するには、やはり義務を履行しないとダメでしょう。
それが社会なのですから。

僕は障害厚生年金をもらう身なのですが、20歳以降未納はありませんでした。

ですから、堂々と年金をもらいます<emoji:punch>

愛言葉行きま〜す、ポチッと!
Posted by SUPERプラス思考↑不死身の公認会計士 伊豆川裕之  at 2006年01月04日 13:50
伊豆川さん、こんばんは。

義務を履行せず、権利ばかりを主張するのが最近多いように感じます。権利と義務の関係を学習する機会が早いうちから行わなければならないような気もします。

権利と義務の関係については、またいつか書きたいと思います。
Posted by 「午後から社労士」村上隆洋 at 2006年01月04日 20:23
遅ればせながら(すみません!)
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくおねがします。

権利と義務の関係をはじめ、
その他社会における基本的なことを
学習する機会が少ないような気がします。
Posted by nori(社会保険労務士マルメロ日記) at 2006年01月05日 10:18
nori様、あけましておめでとうございます。

今考えてみると、いわゆる「ゆとり教育」の中で、まさにゆとりが持てる時期にこのような権利と義務の関係を学習する機会があったはずだ、と感じました。

権利と義務(特に義務)の関係を放置したまま大人になってしまうのは何か危険な感じがしました。

今年もよろしくお願いします。
Posted by 「午後から社労士」村上隆洋 at 2006年01月05日 15:52
税方式を避けつつ税方式並みの効果は欲しいようですね。
税方式にしたら、国税と財務が絡んできますからね。厚生労働省は嫌でしょうねぇ。
Posted by takeyan at 2006年01月06日 13:19
takeyan様、こんにちは。
コメント&TBありがとうございました。

財政的視点からすれば税方式の観点なんですね。税方式にすれば「税」ですから財務省が絡みますから縦割り行政の弊害も出てくるでしょうね。国民不在で話が余計な方向に進みそうな感じもします。
Posted by 「午後から社労士」村上隆洋 at 2006年01月06日 15:48
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

「国民健康保険料滞納」報道は本質を突いていない??問題の中心は資格証明書発行ではない
Excerpt: 「<無保険者>全国30万世帯以上 国保料滞納で保険証使えず  国民健康保険料の長期滞納を理由に、医療費の全額自己負担を求められる資格証明書を市町村から交付され、保険証を使えない「無保険者」が04年度、..
Weblog: 埼玉県和光市議会議員(36歳、最年少) 松本たけひろの今日の雑感
Tracked: 2006-01-06 13:22

「年金」が「ねんきん」に
Excerpt: しょうもない。 小泉首相が「社保庁が変わった」というイメージを国民に与えたかった
Weblog: 奥田健次の教育改革ぶろぐろ部
Tracked: 2006-01-10 01:33
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。