2006年02月23日

学生無年金訴訟に見る年金未加入のリスク

こんばんは、「午後から社労士」です。

今週はまさに「年金ウィーク」と言っていいほど年金の話題を取り上げてきましたが、今日も年金のことについて書きます。全国各地で問題になっている学生無年金訴訟についてです。

(YOMIURI ONLINE 2/22付より引用)

学生無年金障害者訴訟、原告側逆転敗訴

広島高裁「立法者の裁量の範囲」

 国民年金への加入が任意で加入しなかった大学生時代に障害を負い、未加入を理由に障害基礎年金を受け取れないのは制度の不備で違憲だとして、広島市内の鳥羽秀範さん(39)ら2人が、国に年金不支給処分の取り消しと1人2000万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が22日、広島高裁であった。

 草野芳郎裁判長は「立法者の裁量の範囲を超えない」として、1人200万円の支払いなどを命じた1審・広島地裁判決を取り消し、請求を棄却する原告側逆転敗訴の判決を言い渡した。原告側は上告する方針。訴えていたのは21歳の時、交通事故で左半身がマヒした鳥羽さんと20歳で病気から後遺症が残った広島県内の男性(36)。

 国民年金は、91年の同年金法改正まで20歳以上の学生の加入は任意で、未加入者は障害を負った時期が20歳未満なら障害基礎年金を受給できるが、20歳以上は不支給だった。

 1審判決は、85年の法改正時で、20歳以上の学生が年金受給できない規定を残したのは「法の下の平等を定めた憲法に違反する」としたが、この日の判決では「学生の保険料を親に強いることは問題で、学生を強制加入としなかったことには一定の合理性があり、是正措置を講じなかったことは不合理とはいえない」と述べた。

 この問題では9地裁に30人が提訴。東京、広島など3地裁で違憲判断が相次いだが、東京高裁が2005年3月、「国会の裁量の範囲内」と認定して以降、各地裁で合憲の司法判断が続いている。国は、同年4月、特別障害給付金を支給する法律を施行、月額最高5万円を支給している。

(引用ここまで)

まさに当時の国民年金法の解釈のエアポケットに入ってしまったかのような障害者が存在しているという事実、これは忘れてはならないと思います。しかし任意加入であった以上は保険料を払っても払わなくてもいい、つまり保険料を払っていれば年金は支給できたけれども保険料を支払っていなければ年金の支給はない、ごく当たり前のことです。広島高裁の逆転判決はこのことを言いたかったのかもしれません。

ただし、このような被害者に全ての責任を負わせるのは非常に酷なことでもあります。通常は障害者になるということを考えることなく生活を送っているわけですから、万が一のリスクということを考えていない人が大多数だと思います。私もその一人でした。しかし、人は生きているなかで常に潜在的なリスクを抱えています。障害者になることもその一つで、私の場合は昨年1月に亡くなった同い年の従兄弟が突然障害者になったことでそのリスクを痛感させられています。

現在は原則的に20歳以上の人は国民年金に加入することが義務付けられていますが、現実的には未加入の人が多くいます。「年金制度はアテにならない」などという言い訳を使って年金保険料を払わないわけです。年金は老齢・障害・遺族と3種類の給付があります。障害と遺族は生活している上でいつ起こるかわからない(場合によっては明日にでも起こるかもしれない)潜在的に潜んでいるリスクに対して支給される給付です。任意加入であろうが強制加入であろうが未加入の場合は引用記事のように現在も将来も大きなリスクを背負ったまま生きていくことになりますから、そのリスクを少しでも軽減するためにも年金には加入すべきだと思います。


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posted by gogosharo at 18:41| Comment(8) | TrackBack(2) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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